ちょっと時間が取れたので日記のリンク元を眺めてみる。そうすると定期的にあるのがオーサリングしたときの音ズレに関する話題を検索したものである。DVDオーサリングしたときに発生する音ズレはオーサリングソースファイルに問題がある場合がほとんどであるが、中でもタイムスタンプ補正されたファイルや始まり/長さが一致しないファイルでオーサリングした場合に発生しやすい。
_ タイムスタンプによる補正はキャプチャ時にフレーム欠け(音欠け)が発生した場合に行われるが、この補正はMPEGファイルとしては許されているがDVDビデオでは許されていない。よってタイムスタンプ補正が行われているファイルをオーサリングに使うと、その欠けた部分が前に詰められて以降が音ズレした状態となってしまう。だんだんと音ズレが激しくなっていくなら、この問題の可能性が高い。
_ また、始まりが一致しないファイルとは、特にタイムスタンプ補正はされているわけではないが、音声が映像よりも早く始まっている(またはその逆)ファイルである。このようなファイルをそのままオーサリングすると、遅れて始まっている部分が前に詰められてしまい、結局音ズレとなってしまう。最初から最後まで同じ間隔で音がズレているなら、この問題の可能性が高い。
同様に長さが一致しないファイルとは、先頭は映像/音声ともに一致しているが長さが違うファイルである。このようなファイルは単体では問題がないが、後ろに別の映像を繋げると繋ぎ目以降が音ズレとなってしまう。ファイルの変わり目から音ズレが発生するなら、この問題の可能性が高い。
_ ではこれらの問題のあるソースを音ズレしないようにオーサリングするにはどうすればよいかということになるのだが、解決策は多くない。
タイムスタンプ補正されているファイルの場合、TMPGEncなどで再エンコードすれば良い。TMPGEncが出力するMPEGファイルは一切タイムスタンプ補正が行われていない。しかしこの再エンコード時に使用するMPEG-2デコーダによっては、オーサリングしたのと同様の音ズレが発生することがあるので注意が必要だ。CyberLinkのMEPG-2デコーダのようにタイムスタンプ補正を正しく認識するデコーダを使うようにするべきだろう。
始まり/長さが一致しないファイルの場合、先頭と末尾を一定時間カットすればよい。TMPGEnc DVD Authorの場合は、最大1GOP(約0.5秒)までなら自動でカットして補正してくれる。
_ 最後に、ハードウェアエンコードのMPEG-2キャプチャ機器でもタイムスタンプ補正したMPEGファイルを出力するものがある。ハードウェアエンコードだからタイムスタンプ補正は行われていないはずだという先入観はなくしたほうが良いだろう。PCIバス接続のものは比較的問題が少ないが、USB接続のものは問題が多い。